「山田商店街」

山田商店街

山田商店街

9月に著者にお会いした。
ほのぼのとした方だった。
この本もほのぼのとしている。

「山田商店街」という架空の商店街で繰り広げられるファンタジーといえばファンタジーか。

でもちょっと違うなぁ。

山田商店街という「街」に、こんなお店や求人があったら面白いなぁというものがいっぱい詰まっている。

最初のお話からして面白い。

「だるま食堂」。
場末の商店街にあってもおかしくない名前の食堂だが、なんとここで出される料理は「だるま料理」。
生きているはずもない、あのだるまがいかにも生物として存在するかのような語り口で紹介され、そのだるまを料理する。いかに新鮮なだるまを手に入れるか、見極めるかを朗々と語る。

そのほかにも、桃太郎が求人を出していたり、いつも布団を敷いて奥の間で寝ているふとん屋さんがあったり、犬のおまわりさんがいたり。

なんとも不思議な商店街のお話だ。

それにしても文章がうまいなぁ、山田さん。